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Unified ODBC 関数

導入

通常の ODBC サポートに加えて、PHP の Unified ODBC 関数では、各々の API を実装するために ODBC API のセマンティックスを借用する複数の データベースにアクセスすることが可能です。ほとんど同じ複数のデータベース ドライバを維持管理する代わりに、これらのドライバは単一の ODBC 関数セットに 統合されています。

以下のデータベースが Unified ODBC でサポートされています。 » Adabas D, » IBM DB2, » iODBC, » Solid, » Sybase SQL Anywhere

注意: iODBC を除き、上のデータベースと接続する際には ODBC は使用しません。 内部ではネイティブに通信しており、単に ODBC 関数と同じ名前や構文を用いているだけです。 しかし、PHP を iODBC サポートつきでビルドすると、 任意の ODBC 準拠のドライバを PHP アプリケーションから使用できるようになります。 iODBC についてのより詳細な情報は » www.iodbc.org にあります。 またもうひとつの方法である unixODBC は » www.unixodbc.org にあります。

要件

サポートされるデータベースにアクセスするためには、 所定のライブラリがインストールされている必要があります。

インストール手順

--with-adabas[=DIR]

Adabas D サポートを有効にします。DIR はAdabas をインストールしたディレクトリで、 /usr/local がデフォルトです。

--with-sapdb[=DIR]

SAP DB サポートを有効にします。DIR は SAP DB のベースインストールディレクトリで、 /usr/local がデフォルトです。

--with-solid[=DIR]

Solidサポートを有効にします。DIR は Solid のベースインストールディレクトリで、 /usr/local/solid がデフォルトです。

--with-ibm-db2[=DIR]

IBM DB2 サポートを有効にします。DIR は IBM DB2 のベースインストールディレクトリで、 /home/db2inst1/sqllib がデフォルトです。

--with-empress[=DIR]

Empress サポートを有効にします。DIR は Empress のベースインストールディレクトリで、 $EMPRESSPATH がデフォルトです。PHP 4 以降、 このオプションは Empress バージョン 8.60 以降のみをサポートします。

--with-empress-bcs[=DIR]

Empress ローカルアクセスサポートを有効にします。DIR は Empress の ベースインストールディレクトリで、$EMPRESSPATH がデフォルトです。PHP 4 以降、 このオプションは Empress バージョン 8.60 以降のみをサポートします。

--with-birdstep[=DIR]

Birdstep サポートを有効にします。DIR は Birdstep のベースインストールディレクトリで、 /usr/local/birdstep がデフォルトです。

--with-custom-odbc[=DIR]

ユーザ定義の ODBC サポートを有効にします。DIR は ODBC のベースインストールディレクトリで、 /usr/local がデフォルトです。 CUSTOM_ODBC_LIBS が定義され、odbc.h がインクルードパスに あることを確認してください。 例えば、QNX上 の Sybase SQL Anywhere 5.5.00 では、configure スクリプトを実行する 前に以下を定義する必要があります。

   CPPFLAGS="-DODBC_QNX -DSQLANY_BUG"
   LDFLAGS=-lunix
   CUSTOM_ODBC_LIBS="-ldblib -lodbc".

--with-iodbc[=DIR]

iODBC サポートを有効にします。DIR は iODBC のベースインストールディレクトリで、 /usr/local がデフォルトです。

--with-esoob[=DIR]

Easysoft OOB サポートを有効にします。DIR は OOB のベースインストールディレクトリで、 /usr/local/easysoft/oob/client がデフォルトです。

--with-unixODBC[=DIR]

unixODBC サポートを有効にします。DIR は unixODBC のベースインストールディレクトリで、 /usr/local がデフォルトです。

OpenLink ODBC サポートを有効にします。DIR は OpenLink のベースインストールディレクトリで、 /usr/local がデフォルトです。 これは、iODBC と同じものです。

--with-dbmaker[=DIR]

DBMaker サポートを有効にします。DIR は DBMaker のベースインストールディレクトリで、 デフォルトは最新版の DBMaker がインストールされている場所 (例えば /home/dbmaker/3.6)です。

PHP 3 で unified ODBC サポートを無効にするには、 --disable-unified-odbc を configure 実行時に 指定します。このオプションは、iODBC, Adabas, Solid, Velocis custom ODBC インターフェイスを 有効にしている場合のみ適用可能です。

Windows 版の PHP には この拡張モジュールのサポートが組み込まれています。これらの関数を使用 するために拡張モジュールを追加でロードする必要はありません。

実行時設定

php.ini の設定により動作が変化します。

Unified ODBC 設定オプション
名前 デフォルト 変更の可否 変更履歴
odbc.default_db * NULL PHP_INI_ALL
odbc.default_user * NULL PHP_INI_ALL
odbc.default_pw * NULL PHP_INI_ALL
odbc.allow_persistent "1" PHP_INI_SYSTEM  
odbc.check_persistent "1" PHP_INI_SYSTEM  
odbc.max_persistent "-1" PHP_INI_SYSTEM  
odbc.max_links "-1" PHP_INI_SYSTEM  
odbc.defaultlrl "4096" PHP_INI_ALL  
odbc.defaultbinmode "1" PHP_INI_ALL  

注意: * マークがついているエントリは未実装です。

PHP_INI_* 定数の詳細および定義については php.ini ディレクティブ を参照してください。

以下に設定ディレクティブに関する 簡単な説明を示します。

odbc.default_db string

odbc_connect() または odbc_pconnect()でODBCデータソースが 指定されない場合に使用される ODBC データソース。

odbc.default_user string

odbc_connect() または odbc_pconnect() で名前が指定されない場合 に使用される名前。

odbc.default_pw string

odbc_connect() または odbc_pconnect() でパスワードが指定されない場合 に使用されるパスワード。

odbc.allow_persistent boolean

持続的 ODBC 接続を許可するかどうか。

odbc.check_persistent boolean

再利用する前に接続が有効であることを確認します。

odbc.max_persistent integer

プロセス毎の持続的 ODBC 接続の最大数。

プロセス毎の持続的接続を含む ODBC 接続の最大数。

odbc.defaultlrl integer

LONG フィールドの処理。変数に返されるバイト数を指定します。

integerを使用する際、 その値はバイト単位で測られます。 この FAQ に記載された 短縮表記を使用することも可能です。
odbc.defaultbinmode integer

バイナリデータの処理モード。

リソース型

この拡張モジュールでは、ODBC 接続 ID および ODBC 結果 ID の二種類のリソースを定義しています。

定義済み定数

以下の定数が定義されています。 この関数の拡張モジュールが PHP 組み込みでコンパイルされているか、 実行時に動的にロードされている場合のみ使用可能です。

ODBC_TYPE (integer)
ODBC_BINMODE_PASSTHRU (integer)
ODBC_BINMODE_RETURN (integer)
ODBC_BINMODE_CONVERT (integer)
SQL_ODBC_CURSORS (integer)
SQL_CUR_USE_DRIVER (integer)
SQL_CUR_USE_IF_NEEDED (integer)
SQL_CUR_USE_ODBC (integer)
SQL_CONCURRENCY (integer)
SQL_CONCUR_READ_ONLY (integer)
SQL_CONCUR_LOCK (integer)
SQL_CONCUR_ROWVER (integer)
SQL_CONCUR_VALUES (integer)
SQL_CURSOR_TYPE (integer)
SQL_CURSOR_FORWARD_ONLY (integer)
SQL_CURSOR_KEYSET_DRIVEN (integer)
SQL_CURSOR_DYNAMIC (integer)
SQL_CURSOR_STATIC (integer)
SQL_KEYSET_SIZE (integer)
SQL_CHAR (integer)
SQL_VARCHAR (integer)
SQL_LONGVARCHAR (integer)
SQL_DECIMAL (integer)
SQL_NUMERIC (integer)
SQL_BIT (integer)
SQL_TINYINT (integer)
SQL_SMALLINT (integer)
SQL_INTEGER (integer)
SQL_BIGINT (integer)
SQL_REAL (integer)
SQL_FLOAT (integer)
SQL_DOUBLE (integer)
SQL_BINARY (integer)
SQL_VARBINARY (integer)
SQL_LONGVARBINARY (integer)
SQL_DATE (integer)
SQL_TIME (integer)
SQL_TIMESTAMP (integer)
SQL_TYPE_DATE (integer)
SQL_TYPE_TIME (integer)
SQL_TYPE_TIMESTAMP (integer)
SQL_BEST_ROWID (integer)
SQL_ROWVER (integer)
SQL_SCOPE_CURROW (integer)
SQL_SCOPE_TRANSACTION (integer)
SQL_SCOPE_SESSION (integer)
SQL_NO_NULLS (integer)
SQL_NULLABLE (integer)
SQL_INDEX_UNIQUE (integer)
SQL_INDEX_ALL (integer)
SQL_ENSURE (integer)
SQL_QUICK (integer)

目次

  • odbc_autocommit — 自動コミットの動作をオンまたはオフにする
  • odbc_binmode — バイナリカラムデータを処理する
  • odbc_close_all — 全ての ODBC 接続を閉じる
  • odbc_close — ODBC 接続を閉じる
  • odbc_columnprivileges — カラムおよび付随する権限のリストを取得する際に使用する結果 ID を返す
  • odbc_columns — 指定したテーブルにあるカラム名のリストを取得する
  • odbc_commit — ODBC トランザクションをコミットする
  • odbc_connect — データソースに接続する
  • odbc_cursor — カーソル名を得る
  • odbc_data_source — 現在の接続についての情報を返す
  • odbc_do — odbc_exec の同義語
  • odbc_error — 直近のエラーコードを得る
  • odbc_errormsg — 直近のエラーメッセージを得る
  • odbc_exec — SQL文を準備し、実行する
  • odbc_execute — プリペアドステートメントを実行する
  • odbc_fetch_array — 連想配列として結果の行を取得する
  • odbc_fetch_into — 一行ぶんの結果を配列に取り込む
  • odbc_fetch_object — オブジェクトとして結果の行を取得する
  • odbc_fetch_row — 行を取り込む
  • odbc_field_len — フィールドの長さ (精度) を得る
  • odbc_field_name — カラム名を得る
  • odbc_field_num — カラム番号を返す
  • odbc_field_precision — odbc_field_len の同義語
  • odbc_field_scale — フィールドの精度を得る
  • odbc_field_type — フィールドのデータ型を返す
  • odbc_foreignkeys — 指定したテーブルの外部キーのリストまたは指定したテーブルの主キーを 参照する他のテーブルの外部キーのリストを返す
  • odbc_free_result — 結果を保持するリソースを開放する
  • odbc_gettypeinfo — データソースによりサポートされるデータ型に関する情報を有する結果 ID を返す
  • odbc_longreadlen — LONG カラムを処理する
  • odbc_next_result — 複数の結果が利用可能などうか確認する
  • odbc_num_fields — 結果のカラム数を返す
  • odbc_num_rows — 結果における行数を返す
  • odbc_pconnect — 持続的なデータベース接続を開く
  • odbc_prepare — 実行用に文を準備する
  • odbc_primarykeys — テーブルの主キーを有するカラムの名前を取得する際に使用可能な結果 ID を返す
  • odbc_procedurecolumns — プロシージャへのパラメータに関する情報を取得する
  • odbc_procedures — 指定したデータソースに保存されているプロシージャのリストを取得する
  • odbc_result_all — HTML テーブルとして結果を出力する
  • odbc_result — 結果データを得る
  • odbc_rollback — トランザクションをロールバックする
  • odbc_setoption — ODBC の設定を変更する
  • odbc_specialcolumns — テーブルのレコードを特定する最適なカラムの組合せ、 またはレコードの値がトランザクションにより更新される際に自動的に更新されるカラムを返す
  • odbc_statistics — テーブルに関する統計情報を取得する
  • odbc_tableprivileges — 各テーブルのリストおよび関連する権限のリストを取得する
  • odbc_tables — 指定したデータソースに保存されたテーブルの名前のリストを取得する