COM
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COM — COM クラス
$obj = new COM("Application.ID")
説明
COM クラスにより、OLE 互換の COM オブジェクトのインスタンスを作成し、 そのメソッドをコールしたりそのプロパティにアクセスしたりすることが 可能となります。
メソッド
COM クラスのコンストラクタ。 パラメータには以下のような意味があります。
- module_name
- ロードするコンポーネントを指定する プログラム ID、クラス ID またはモニカです。 プログラムID は、通常、アプリケーションまたは DLL の名前の後に、 Word.Application のようにピリオドと オブジェクト名を付けたものです。 クラス ID は、指定されたクラスがユニークに定義する UUID です。 モニカは、URL スキームの考え方に似た特別な命名形式です。リソースと、 それがどのように読み込まれるかを指定します。例として、モジュール名に Word ドキュメントのフルパスを指定すると、Word を読み込んで ドキュメントに対応するオブジェクトを取得することができます。 あるいは、LDAP への ADSI インターフェースを指すモニカとして LDAP: を使用することが可能です。
- server_name
-
コンポーネントが読み込んで実行される DCOM サーバの名前です。
NULL の場合、オブジェクトはアプリケーションのデフォルトを
指定して実行されます。典型的なデフォルトは、ローカルマシン上で
実行させることでが、管理者によってはアプリケーションを別の
マシン上で実行させるように設定しているかもしれません。
非 NULL 値をサーバに指定した場合、
COM 設定オプションが
TRUE に設定されていない限り PHP はオブジェクトの読み込みを
拒否します。
server_name が配列の場合、以下の要素 (大文字小文字を区別します!)を含まなければなりません。 これらはすべて省略可能であることに注意しましょう (とはいえ、Username および Password は両方指定する必要があります)。 もしサーバ設定を省略した場合は(上で説明した)デフォルトのサーバが 使用され、オブジェクトの生成は COM ディレクティブの影響を受けません。
DCOM サーバ名 server_name のキー 型 説明 Server string サーバの名前。 Username string 接続するユーザ名。 Password string Username に対するパスワード。 Flags integer 以下の定数のうちのひとつまたは複数の論理和。 CLSCTX_INPROC_SERVER、 CLSCTX_INPROC_HANDLER、 CLSCTX_LOCAL_SERVER、 CLSCTX_REMOTE_SERVER、 CLSCTX_SERVER および CLSCTX_ALL。指定されていない場合の デフォルト値は、Server を省略した場合が CLSCTX_SERVER でサーバ名を指定した場合は CLSCTX_REMOTE_SERVER です。 これらの定数の意味についての詳細な情報を得るには、Microsoft のドキュメントで CoCreateInstance について調べましょう。 通常はこれらを使用する必要はないはずです。 - codepage
- 文字列と Unicode 文字列との相互変換に使用するコードページを指定します。 PHP の文字列と COM オブジェクトのメソッドとの受け渡しの際には、いつも 変換が行われます。PHP 5 では、コードページの扱いは面倒です。というのは、 オブジェクトだけではなくオブジェクトから返される variant にもそれが 影響するからです。 とりうる値は CP_ACP (システムのデフォルト ANSI コードページを使用する - このパラメータが指定されなかった場合の デフォルト)、 CP_MACCP、 CP_OEMCP、CP_SYMBOL、 CP_THREAD_ACP (現在実行中のスレッドの コードページ/ロケールを使用する)、CP_UTF7 および CP_UTF8 です。コードページに対応する 数値を指定することも可能です。コードページとそれに対応する数値に ついての詳細は、Microsoft のドキュメントを参照ください。
オーバーロードされたメソッド
返されるオブジェクトは、オーバーロードされたものです。つまり、 PHP 側では通常のクラスのメソッドは見えないということです。 その代わりに、プロパティやメソッドへのアクセスは COM を通じて行います。
PHP 5 以降では、参照渡しのパラメータを受け付けるメソッドを PHP が 自動検出するようになりました。それらのメソッドについては、PHP が自動的に 変数を参照渡し形式に変換します。つまり、メソッドのコールをより自然に 行えるということです。コードの中で特別な処理をする必要はありません。
PHP 4 では、パラメータを参照渡しする場合には、そのパラメータをラップする ために VARIANT クラスのインスタンスを生成する 必要があります。
疑似メソッド
PHP 5 より前のバージョンでは、以下のようなメソッド名を COM に渡すことが できず、直接 PHP で扱うことができないというあまりうれしくない出来事が ありました。PHP 5 ではこれらを解決します。スクリプトの修正方法に ついては以下の詳細を参照ください。これらのマジックメソッドの名前は 大文字小文字を区別しません。
COM オブジェクトの参照カウントを作為的に追加します。
このメソッドを使用することはまずないはずです。 これは、以下で説明する Release() メソッドを論理的に補完するものとして 存在するものです。
COM オブジェクトの参照カウントを作為的に削除します。
このメソッドを使用することはまずないはずです。 これは、COM オブジェクトが必要以上に動作を続けてしまうというバグに 対応する方法として PHP に存在するものです。
反復処理のための疑似メソッド
以下の疑似メソッドは、 com_isenum() が TRUE を返す場合のみ利用可能で、この場合、これらのメソッドは、 通常は COM オブジェクトにより提供される同じ名前を有する全ての メソッドを隠蔽します。これらのメソッドは PHP 5 では完全に廃止されています。 代わりに COM を使用してください。
10 の要素を保持する SafeArray を表す variant を返します。 個々の要素は empty/null の variant となります。この関数は イテレータからの全ての要素を含む配列を返すことを想定していますが、 決して完了しません。使用しないでください。
イテレータの次の要素を表す variant を返します。要素が もうない場合には FALSE を返します。
イテレータの前の要素を現す variant を返します。要素が もうない場合には FALSE を返します。
イテレータを最初の場所まで巻き戻します。
COM の例
Example#1 COM の例 (1)
<?php
// word を起動します
$word = new COM("word.application") or die("Unable to instantiate Word");
echo "Loaded Word, version {$word->Version}\n";
// 前面に移動させます
$word->Visible = 1;
// 空のドキュメントを開きます
$word->Documents->Add();
// 何か複雑なことを行います
$word->Selection->TypeText("This is a test...");
$word->Documents[1]->SaveAs("Useless test.doc");
// word を閉じます
$word->Quit();
// オブジェクトを開放します
$word = null;
?>
Example#2 COM の例 (2)
<?php
$conn = new COM("ADODB.Connection") or die("Cannot start ADO");
$conn->Open("Provider=SQLOLEDB; Data Source=localhost;
Initial Catalog=database; User ID=user; Password=password");
$rs = $conn->Execute("SELECT * FROM sometable"); // Recordset
$num_columns = $rs->Fields->Count();
echo $num_columns . "\n";
for ($i=0; $i < $num_columns; $i++) {
$fld[$i] = $rs->Fields($i);
}
$rowcount = 0;
while (!$rs->EOF) {
for ($i=0; $i < $num_columns; $i++) {
echo $fld[$i]->value . "\t";
}
echo "\n";
$rowcount++; // 行カウントの加算
$rs->MoveNext();
}
$rs->Close();
$conn->Close();
$rs = null;
$conn = null;
?>