DB++ 関数
この拡張モジュールは、 実験的 なものです。この拡張モジュールの動作・ 関数名・その他ドキュメントに書かれている事項は、予告なく、将来的な PHP のリリースにおいて変更される可能性があります。 このモジュールは自己責任で使用してください。
導入
db++ は、ドイツの企業 » Concept asa により作成された高性能でかつメモリ使用量とディスク使用量が 小さいことを特徴とするリレーショナルデータベースシステムです。 db++ では、SQL は補助的なインターフェイス原語として提供されており、 元来の SQL データベースであるわけではありませんが、SQL よりも 関係代数にはるかに強く影響された固有の AQL クエリ言語が提供されています。
Concept asa は、常にオープンソース言語のサポートに関心を持って 来ており、db++ は Perl、Tcl コールのインターフェイスを何年も前から有し、 Tcl を内部的なストアドプロシージャ言語として使用しています。
要件
この拡張モジュールは外部クライアントライブラリに依存しており、 この拡張モジュールを使用したいシステム上に db++ クライアントが インストールされている必要があります。
» Concept asa が、 Linux および他のいくつかの Unix 版の » db++ デモ版 および » ドキュメント を 提供しています。また、Windows 版の db++ もありますが、 この拡張モジュールでは(まだ)サポートしていません。
インストール手順
この拡張モジュールをビルドするためには、db++ クライアントライブラリおよび ヘッダファイルがシステムにインストールされていることが必要です (db++ のインストールアーカイブには、これらがデフォルトで含まれています)。 この拡張モジュールをビルドするためには、configure の際にオプション --with-dbplus を設定する必要があります。
configure は、クライアントライブラリおよびヘッダファイルを デフォルトのパス /usr/dbplus、 /usr/local/dbplus および /opt/dblus から探します。もし db++ を別の場所にインストールしている場合、 以下のようにしてインストール場所を configure オプションに 指定する必要があります。 --with-dbplus=/your/installation/path
実行時設定
設定ディレクティブは定義されていません。
リソース型
dbplus_relation
多くの db++ 関数は、dbplus_relation リソースを 操作または返します。 dbplus_relation は、保存された関係または クエリの結果として生成された関係へのハンドルです。
定義済み定数
以下の定数が定義されています。 この関数の拡張モジュールが PHP 組み込みでコンパイルされているか、 実行時に動的にロードされている場合のみ使用可能です。
db++ エラーコード
PHP 定数 | db++ 定数 | 意味 |
---|---|---|
DBPLUS_ERR_NOERR (integer) | ERR_NOERR | Null エラー条件 |
DBPLUS_ERR_DUPLICATE (integer) | ERR_DUPLICATE | 重複するタプルを挿入した |
DBPLUS_ERR_EOSCAN (integer) | ERR_EOSCAN | rget()からスキャン終了 |
DBPLUS_ERR_EMPTY (integer) | ERR_EMPTY | 関係が空(サーバ) |
DBPLUS_ERR_CLOSE (integer) | ERR_CLOSE | サーバをクローズできない |
DBPLUS_ERR_WLOCKED (integer) | ERR_WLOCKED | レコードは書き込みロックされている |
DBPLUS_ERR_LOCKED (integer) | ERR_LOCKED | 関係は既にロックされている |
DBPLUS_ERR_NOLOCK (integer) | ERR_NOLOCK | 関係をロックできない |
DBPLUS_ERR_READ (integer) | ERR_READ | 関係の読み込みエラー |
DBPLUS_ERR_WRITE (integer) | ERR_WRITE | 関係の書き込みエラー |
DBPLUS_ERR_CREATE (integer) | ERR_CREATE | create() システムコールが失敗 |
DBPLUS_ERR_LSEEK (integer) | ERR_LSEEK | lseek() システムコールが失敗 |
DBPLUS_ERR_LENGTH (integer) | ERR_LENGTH | 最大長を越えるタプル |
DBPLUS_ERR_OPEN (integer) | ERR_OPEN | open() システムコールが失敗 |
DBPLUS_ERR_WOPEN (integer) | ERR_WOPEN | 関係は既に書き込みオープンされている |
DBPLUS_ERR_MAGIC (integer) | ERR_MAGIC | ファイルは関係でない |
DBPLUS_ERR_VERSION (integer) | ERR_VERSION | ファイルは非常に古い関係である |
DBPLUS_ERR_PGSIZE (integer) | ERR_PGSIZE | 関係は異なったページサイズを使用している |
DBPLUS_ERR_CRC (integer) | ERR_CRC | 不正な CRC がスーパーページにある |
DBPLUS_ERR_PIPE (integer) | ERR_PIPE | パイプ上の関係は lseek() を要求している |
DBPLUS_ERR_NIDX (integer) | ERR_NIDX | セカンダリインデックスが多すぎる |
DBPLUS_ERR_MALLOC (integer) | ERR_MALLOC | malloc() コールが失敗した |
DBPLUS_ERR_NUSERS (integer) | ERR_NUSERS | 最大ユーザ数エラー |
DBPLUS_ERR_PREEXIT (integer) | ERR_PREEXIT | 無効な使用法により発生 |
DBPLUS_ERR_ONTRAP (integer) | ERR_ONTRAP | シグナルにより発生 |
DBPLUS_ERR_PREPROC (integer) | ERR_PREPROC | プリプロセッサにおけるエラー |
DBPLUS_ERR_DBPARSE (integer) | ERR_DBPARSE | パーサ上のエラー |
DBPLUS_ERR_DBRUNERR (integer) | ERR_DBRUNERR | dbにおける実行エラー |
DBPLUS_ERR_DBPREEXIT (integer) | ERR_DBPREEXIT | prexit() * プロシージャにより発生した終了条件 |
DBPLUS_ERR_WAIT (integer) | ERR_WAIT | 少し待つ(simple のみ) |
DBPLUS_ERR_CORRUPT_TUPLE (integer) | ERR_CORRUPT_TUPLE | クライアントが壊れたタプルを送信した |
DBPLUS_ERR_WARNING0 (integer) | ERR_WARNING0 | simple ルーチンが、修正済みの致命的でないエラーを発見した |
DBPLUS_ERR_PANIC (integer) | ERR_PANIC | サーバは実際に実行中断していないが、全てのクライアントに ERR_PANIC が送信された |
DBPLUS_ERR_FIFO (integer) | ERR_FIFO | fifo を作成できない |
DBPLUS_ERR_PERM (integer) | ERR_PERM | 不許可 |
DBPLUS_ERR_TCL (integer) | ERR_TCL | TCL_error |
DBPLUS_ERR_RESTRICTED (integer) | ERR_RESTRICTED | ユーザ二人のみ |
DBPLUS_ERR_USER (integer) | ERR_USER | アプリケーションプログラマによるライブラリの使用エラー |
DBPLUS_ERR_UNKNOWN (integer) | ERR_UNKNOWN |
目次
- dbplus_add — リレーションにタプルを追加する
- dbplus_aql — AQL クエリを実行する
- dbplus_chdir — データベース仮想カレントディレクトリを設定/取得する
- dbplus_close — リレーションを閉じる
- dbplus_curr — リレーションからカレントタプルを取得する
- dbplus_errcode — 指定したエラーコードまたは直近のエラーに関するエラー文字列を取得する
- dbplus_errno — 直近の操作に関するエラーコードを取得する
- dbplus_find — リレーションに拘束を設定する
- dbplus_first — リレーションから最初のタプルを取得する
- dbplus_flush — リレーションに行った全ての変更をフラッシュする
- dbplus_freealllocks — このクライアントにより保持された全てのロックを解放する
- dbplus_freelock — タプルの書き込みロックを解放する
- dbplus_freerlocks — 指定したリレーションに関する全てのタプルロックを解放する
- dbplus_getlock — タプルの書き込みロックを取得する
- dbplus_getunique — あるリレーションのユニークな ID 番号を取得する
- dbplus_info — リレーションについての情報を取得する
- dbplus_last — リレーションから直近のタプルを取得する
- dbplus_lockrel — リレーションに書き込みロックを要求する
- dbplus_next — リレーションから次のタプルを取得する
- dbplus_open — リレーションファイルをオープンする
- dbplus_prev — リレーションから前のタプルを取得する
- dbplus_rchperm — リレーションの許可属性を変更する
- dbplus_rcreate — 新しい DB++ リレーションを作成する
- dbplus_rcrtexact — インデックスを含む、リレーションの空のコピーを作成する
- dbplus_rcrtlike — デフォルトのインデックスで、リレーションの空のコピーを作成する
- dbplus_resolve — リレーションのホスト情報を取得する
- dbplus_restorepos — 位置を復元する
- dbplus_rkeys — リレーションの主キーを新規に指定する
- dbplus_ropen — リレーションファイルをローカルにオープンする
- dbplus_rquery — ローカル (raw) AQL クエリを実行する
- dbplus_rrename — リレーションの名前を変更する
- dbplus_rsecindex — リレーションに新規セカンダリインデックスを作成する
- dbplus_runlink — ファイルシステムからリレーションを削除する
- dbplus_rzap — リレーションから全てのタプルを削除する
- dbplus_savepos — 位置を保存する
- dbplus_setindex — インデックスを設定する
- dbplus_setindexbynumber — インデックスを数字で設定する
- dbplus_sql — SQL クエリを実行する
- dbplus_tcl — サーバ側で TCL コードを実行する
- dbplus_tremove — タプルを削除し、新規カレントタプルを返す
- dbplus_undo — 元に戻す
- dbplus_undoprepare — 元に戻す準備をする
- dbplus_unlockrel — リレーションの書き込みロックを中断する
- dbplus_unselect — リレーションから制約を削除する
- dbplus_update — リレーション内の指定したタプルを更新する
- dbplus_xlockrel — リレーションの排他的ロックを要求する
- dbplus_xunlockrel — リレーションの排他的ロックを解放する