IMAP、POP3 および NNTP 関数
導入
これらの関数は、IMAP プロトコルのほかに NNTP や POP3、 そしてローカルのメールボックスへのアクセスもサポートします。
しかし、IMAP 関数の中には POP プロトコルでは正常に動作しないものがあることに注意しましょう。
要件
この拡張モジュールは、c クライアントライブラリがインストールされている ことを要します。» ftp://ftp.cac.washington.edu/imap/ から 最新版を入手し、コンパイルしてください。
IMAP のソースファイルをシステムの include ディレクトリに直接コピー しないことが大切です。そのようなことをすると既存のファイルと衝突を 引き起こす可能性があります。そのかわりにシステムの include ディレクトリの 下に新しいディレクトリ(例: /usr/local/imap-2000b/ 場所や名前は、あなたのシステムの設定や IMAP のバージョンに依存します)を作成し、 この新規ディレクトリの下に lib/、include/ という新しいディレクトリを作成します。IMAP ソースツリーの c-client ディレクトリからすべての *.h ファイルを include/ に、そしてすべての *.c ファイルを lib/ にコピーします。 IMAP をコンパイルすると、c-client.a というファイルが つくられます。これも lib/ ディレクトリにコピーし、 名前を libc-client.a に変更してください。
注意: C クライアントライブラリを SSL や Kerberos のサポートつきでビルド するには、パッケージとともに提供されるドキュメントを参照ください。
注意: Mandrake Linux では、IMAP ライブラリ(libc-client.a) が Kerberos のサポートなしでコンパイルされています。また、SSL 対応バージョン(client-PHP4.a)が別に インストールされます。Kerberos サポートを使用するには、これらの ライブラリを再コンパイルする必要があります。
インストール手順
これらの関数を動作させるには、--with-imap[=DIR] を指定して PHP をコンパイルする必要があります。DIR は c-client インストール時のプレフィックスです。上の例のような場合には --with-imap=/usr/local/imap-2000b を指定します。この場所は、上の指示にしたがってあなたが作成したディレクトリの 場所に依存します。Windows ユーザは、php.ini で php_imap.dll DLL を有効にします。 IMAP は Windows 2000 より前のバージョンではサポートされていません。 なぜなら、メールサーバとの SSL 接続を有効にするために暗号化関数を 使用しているからです。
注意: c-client の設定によっては、これ以外に --with-imap-ssl=/path/to/openssl/ や --with-kerberos=/path/to/kerberos といったオプションを PHP の configure で指定する必要があります。
実行時設定
設定ディレクティブは定義されていません。
リソース型
定義済み定数
以下の定数が定義されています。 この関数の拡張モジュールが PHP 組み込みでコンパイルされているか、 実行時に動的にロードされている場合のみ使用可能です。
- NIL (integer)
- OP_DEBUG (integer)
- OP_READONLY (integer)
- メールボックスを読み込み専用で開きます。
- OP_ANONYMOUS (integer)
- ニュースで .newsrc を使用せず、更新も行いません (NNTP のみ)。
- OP_SHORTCACHE (integer)
- OP_SILENT (integer)
- OP_PROTOTYPE (integer)
- OP_HALFOPEN (integer)
- IMAP や NNTP において、接続はオープンするがメールボックスを開きません。
- OP_EXPUNGE (integer)
- OP_SECURE (integer)
- CL_EXPUNGE (integer)
- imap_close() のコール時に、メールボックスを 閉じる前に中身を削除します。
- FT_UID (integer)
- パラメータは UID です。
- FT_PEEK (integer)
- まだ設定されていない場合に \Seen フラグを設定しません。
- FT_NOT (integer)
- FT_INTERNAL (integer)
- 返される文字列は内部フォーマットであり、CRLF を正規化しません。
- FT_PREFETCHTEXT (integer)
- ST_UID (integer)
- シーケンスの引数に、番号ではなく UID を含んでいます。
- ST_SILENT (integer)
- ST_SET (integer)
- CP_UID (integer)
- シーケンス番号が UID を含んでいます。
- CP_MOVE (integer)
- imap_mail_copy() でコピーを行った後に 現在のメールボックスからメッセージを削除します。
- SE_UID (integer)
- シーケンス番号のかわりに UID を返します。
- SE_FREE (integer)
- SE_NOPREFETCH (integer)
- 検索されたメッセージを事前にフェッチすることはありません。
- SO_FREE (integer)
- SO_NOSERVER (integer)
- SA_MESSAGES (integer)
- SA_RECENT (integer)
- SA_UNSEEN (integer)
- SA_UIDNEXT (integer)
- SA_UIDVALIDITY (integer)
- SA_ALL (integer)
- LATT_NOINFERIORS (integer)
- このメールボックスには「子供」はいません(このメールボックスの配下には メールボックスはありません)。
- LATT_NOSELECT (integer)
- これは単なるコンテナであり、メールボックスではありません。 オープンすることはできません。
- LATT_MARKED (integer)
- このメールボックスはマークされています。UW-IMAPD でのみ使用されます。
- LATT_UNMARKED (integer)
- このメールボックスはマークされていません。UW-IMAPD でのみ使用されます。
- SORTDATE (integer)
- imap_sort() のソート条件。 メッセージの日付でソートします。
- SORTARRIVAL (integer)
- imap_sort() のソート条件。 到着日でソートします。
- SORTFROM (integer)
- imap_sort() のソート条件。 メールボックスの最初の From アドレスでソートします。
- SORTSUBJECT (integer)
- imap_sort() のソート条件。 メッセージの表題でソートします。
- SORTTO (integer)
- imap_sort() のソート条件。 メールボックスの最初の To アドレスでソートします。
- SORTCC (integer)
- imap_sort() のソート条件。 メールボックスの最初の Co アドレスでソートします。
- SORTSIZE (integer)
- imap_sort() のソート条件。 メッセージのサイズ(バイト単位)でソートします。
- TYPETEXT (integer)
- TYPEMULTIPART (integer)
- TYPEMESSAGE (integer)
- TYPEAPPLICATION (integer)
- TYPEAUDIO (integer)
- TYPEIMAGE (integer)
- TYPEVIDEO (integer)
- TYPEOTHER (integer)
- ENC7BIT (integer)
- ENC8BIT (integer)
- ENCBINARY (integer)
- ENCBASE64 (integer)
- ENCQUOTEDPRINTABLE (integer)
- ENCOTHER (integer)
- IMAP_OPENTIMEOUT (integer)
- IMAP_READTIMEOUT (integer)
- IMAP_WRITETIMEOUT (integer)
- IMAP_CLOSETIMEOUT (integer)
- LATT_REFERRAL (integer)
- LATT_HASCHILDREN (integer)
- LATT_HASNOCHILDREN (integer)
- TYPEMODEL (integer)
参考
この文書では、提供される関数に関する全ての話題の詳細について立ち入ることは できません。より詳細な情報については、C クライアントライブラリのソースに 付属するドキュメント (docs/internal.txt) および以下の RFC ドキュメントで提供されています。
- » RFC2821: Simple Mail Transfer Protocol (SMTP).
- » RFC2822: Standard for ARPA internet text messages.
- » RFC2060: Internet Message Access Protocol (IMAP) Version 4rev1.
- » RFC1939: Post Office Protocol Version 3 (POP3).
- » RFC977: Network News Transfer Protocol (NNTP).
- » RFC2076: Common Internet Message Headers.
- » RFC2045 , » RFC2046 , » RFC2047 , » RFC2048 & » RFC2049: Multipurpose Internet Mail Extensions (MIME).
目次
- imap_8bit — 8 ビット文字列を quoted-printable 文字列に変換する
- imap_alerts — 発生した IMAP 警告メッセージを返す
- imap_append — 指定されたメールボックスに文字列メッセージを追加する
- imap_base64 — BASE64 でエンコードされたテキストをデコードする
- imap_binary — 8 ビット文字列を base64 文字列に変換する
- imap_body — メッセージ本文を読む
- imap_bodystruct — 指定したメッセージの指定した body セクションの構造を読み込む
- imap_check — 現在のメールボックスをチェックする
- imap_clearflag_full — メッセージのフラグをクリアする
- imap_close — IMAP ストリームをクローズする
- imap_createmailbox — 新しいメールボックスを作る
- imap_delete — 現在のメールボックスから削除するメッセージに印を付ける
- imap_deletemailbox — メールボックスを削除する
- imap_errors — 発生したすべての IMAP エラーを返す
- imap_expunge — 削除用にマークされたすべてのメッセージを削除する
- imap_fetch_overview — 指定したメッセージのヘッダ情報の概要を読む
- imap_fetchbody — メッセージ本文中の特定のセクションを取り出す
- imap_fetchheader — メッセージのヘッダを返す
- imap_fetchstructure — 特定のメッセージの構造を読み込む
- imap_get_quota — クオータレベルの設定、メールボックス毎の使用状況を取得する
- imap_get_quotaroot — ユーザ単位のクォータ設定を取得する
- imap_getacl — 与えられたメールボックスの ACL を取得する
- imap_getmailboxes — メールボックスのリストを読み込み、各ボックスに関する詳細な情報を返す
- imap_getsubscribed — 購読中の全メールボックスの一覧を取得する
- imap_header — imap_headerinfo のエイリアス
- imap_headerinfo — メッセージヘッダを読み込む
- imap_headers — メールボックス内のすべてのメッセージのヘッダを返す
- imap_last_error — ページリクエスト時に生じた直近の IMAP エラーを返す
- imap_list — メールボックスのリストを読み込む
- imap_listmailbox — imap_list のエイリアス
- imap_listscan — 指定したテキストにマッチするメールボックスの一覧を返す
- imap_listsubscribed — imap_lsub のエイリアス
- imap_lsub — 購読しているすべてのメールボックスの一覧を得る
- imap_mail_compose — 指定したエンベロープおよびボディセクションに基づいて MIME メッセージを作成する
- imap_mail_copy — 指定されたメッセージをメールボックスにコピーする
- imap_mail_move — 指定されたメッセージをメールボックスに移動する
- imap_mail — e-mail メッセージを送信する
- imap_mailboxmsginfo — 現在のメールボックスに関する情報を得る
- imap_mime_header_decode — MIME ヘッダ要素をデコードする
- imap_msgno — 指定した UID のメッセージ番号を返す
- imap_num_msg — 現在のメールボックスのメッセージ数を取得する
- imap_num_recent — 現在のメールボックスにある新規メッセージ数を取得する
- imap_open — メールボックスへの IMAP ストリームをオープンする
- imap_ping — IMAP ストリームがアクティブかどうかを調べる
- imap_qprint — quoted-printable 文字列を 8 ビット文字列に変換する
- imap_renamemailbox — メールボックスの名前を変更する
- imap_reopen — 新規メールボックスへの IMAP ストリームを再度オープンする
- imap_rfc822_parse_adrlist — アドレス文字列を解釈します
- imap_rfc822_parse_headers — 文字列からメールヘッダを解釈する
- imap_rfc822_write_address — 指定したメールボックス、ホスト、個人情報を、 電子メールアドレスとして適当な形式にして返す
- imap_savebody — 指定した本文部をファイルに保存する
- imap_scanmailbox — imap_listscan のエイリアス
- imap_search — 指定した検索条件にマッチするメッセージを配列として返す
- imap_set_quota — 指定したメールボックスにクォータを設定する
- imap_setacl — 指定したメールボックスの ACL を設定する
- imap_setflag_full — メッセージにフラグをセットする
- imap_sort — メッセージヘッダの配列をソートする
- imap_status — 現在のメールボックス以外のメールボックスのステータス情報を返す
- imap_subscribe — メールボックスを購読する
- imap_thread — スレッド化したメッセージのツリーを返す
- imap_timeout — imap タイムアウトを設定あるいは取得する
- imap_uid — 指定したメッセージシーケンス番号の UID を返す
- imap_undelete — 削除マークがついているメッセージのマークをはずす
- imap_unsubscribe — メールボックスの購読をやめる
- imap_utf7_decode — 修正版 UTF-7 エンコードされた文字列をデコードする
- imap_utf7_encode — ISO-8859-1 文字列を修正版 UTF-7 テキストに変換する
- imap_utf8 — MIME エンコードされたテキストを UTF-8 に変換する